はじめに
ラーテルから巣立った子のご家族に、迎えてからのリアルをうかがう「オーナーインタビュー」。
今回は、イタリアングレーハウンドのクッカちゃん(2024年11月生まれ)のご家族
「家族全員、ひどい犬猫アレルギー」「繁殖という仕事に、正直いい印象を持っていなかった」
——留守番のしつけ、二週間目から始まった下痢との長い戦い、寒さや耳のケアまで。
笑いあり、ちょっと脱線あり。きれいごとではない、本当の話を聞かせていただきました。
※この記事はご家族の体験談です。健康・病気に関する内容は一例であり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状があるときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
クッカちゃんプロフィール
| 名前 | クッカちゃん |
| 犬種 | イタリアングレーハウンド |
| 生年月 | 2024年11月 |
| お気に入り | 自分専用のビーズクッション |
「飼いたい」は、まったくなかった
ラーテル:今日はよろしくお願いします!
さっそくですが……そもそも、イタグレを迎えるきっかけって何だったんですか?
オーナーさん:それがね、うち家族全員、ひどい犬猫アレルギーなんですよ。動物園に行っただけで、目が真っ赤になっちゃうくらい。だから「飼いたい」なんて、本当はまったくなかったんです。見た目はずーっと好きだったんですけどね。
ラーテル:じゃあ“飼おう”という感じではなかったんですね。何がきっかけになったんでしょう?
オーナーさん:ホームセンターのペットショップ。そこで初めて、本物のイタグレを見たんですよ。
ラーテル:そうだったんですね。それまで、実物を見たことは?
オーナーさん:なかったんです。そうしたらもう、可愛すぎちゃって。泣くほど「飼いたい」って。
でもアレルギーもあるし、その日は「諦めなさい」って言ったんです。
一晩で、猛烈に調べた
ラーテル:なるほど!そこから、どう気持ちが動いていったんですか?
オーナーさん:もう、その夜ですよ。一人で、犬のことを猛烈に調べたんです。
そうしたらね、いいことばっかり出てくるの。犬を飼うと精神が安定するとか、子どもの成長にすごくいいとか。「あれ、飼ってもいいのかも」って。
でもね、ペットショップの売り方が、どうしても好きになれなくて。それに私、ちょうどその頃「繁殖」っていうこと自体に、正直いい印象を持ってなかったんです。
ラーテル:ネットで、いろいろと?
オーナーさん:そうそう。問題になってるのをいっぱい見ちゃってたので。だから本当に、疑ってかかってました。でも、この子は泣くほど欲しがってる。「売れちゃうかもしれない」って焦りもあって。その夜、調べ倒したんです。
ラーテル: すごい熱量ですね!
オーナーさん:まずアレルギーの相性を確かめたかったから、家族全員で会いに行ける近場のブリーダーさんを、とにかく探して。
「考え方が、全然ちがった」
ラーテル:たくさんいる中で、最後の決め手は何だったんですか?
オーナーさん:一番近かったのと…あと、経歴がすごく変わってたんですよ。「この人、動物を本気で愛してるんだな」って伝わってきて。それで、その日のうちに電話しちゃった。たぶん夜遅かったんですけど(笑)。
ラーテル:いやいや、全然です(笑)
オーナーさん:とにかく疑ってたから、長居して、質問攻めにしました。
考え方が知りたくて。そうしたら、オークションにも出してない、ここに来てくれた人にだけ直接お渡ししてる、って。それが、ほかと全然ちがったんです。
ラーテル:ほかというのは……たとえば、どんなところですか?
オーナーさん:ペットショップだと、すぐ「多頭飼いどうですか」でしょ。見積もりも車みたいにバーッと出してきて、「分割もできますよ」って。こっちがちょっと迷う顔すると、急に「あ、もういいですか」って空気になる(笑)。
そういうのが、ここには一切なかった。だから「買うならここでしか買えない」って、家族みんなで納得したんです。
ラーテル:そう言っていただけると、本当にうれしいです。ありがとうございます。
最初の一週間は、びっくりするほど“優秀”だった
ラーテル:お迎えして最初の一週間って、どんな様子でした?
オーナーさん:これがね、びっくりするくらい優秀だったんですよ。
言われた通りにしたんです。最初からケージ中心にして、構いすぎない。夜鳴きしても、一切反応しない。
ラーテル:夜鳴きは、しませんでした?
オーナーさん:最初の一日くらいは早朝に「おーん」って。でも声もかけずに、ぐっと我慢して。そうしたらすぐ、しなくなりました。留守番させなきゃいけなかったので、最初からケージにしっかり入れて、「ここが自分の部屋」って思ってもらえるように。みんながリビングでワイワイしてても、半分以上はケージで、安心して過ごす感じで。
ラーテル:へえ〜、すごい。しつけのほうは、どうでした?
オーナーさん:本当に頭がいいの。やればできる子。
最初の数日が、いちばん肝心
可愛くてつい一緒に寝てしまう、リビングで出しっぱなしにしてしまう
——その気持ちはよく分かります。でも、最初の一回が後を引くことが多いんです。
「ケージは安心できる自分の場所」と最初に覚えてもらえると、留守番も夜の睡眠もぐっと楽になります。
クッカちゃんが留守番上手に育ったのは、ご家族が最初の数日を丁寧にやりきってくださったからだと思います。
本当に大変だったのは、「下痢」だった
ラーテル:迎えてみて、一番大変だったことって何でしたか?
オーナーさん:もう、下痢一択(笑)。
ラーテル:下痢一択ですか(笑)。
オーナーさん:みんなが悩むっていう夜鳴きも留守番も、うちは全然なくて。悩みはずーっと下痢。二週間目から始まったんです。
一歳までに、コクシジウムに二回、ジアルジアにも。合わせて三回かかりました。
コクシジウム…子犬の腸に寄生する小さな寄生虫で、下痢の原因になります。子犬期にかかりやすいものです。
成犬の場合、無症状なケースも多く犬舎の成犬から感染することもあります。
ジアルジア…同じく下痢を起こす寄生虫。こちらは人にもうつることがあるとされ、衛生管理が大切です。
どちらも、適切なお薬で治療していくのが基本です。
ラーテル:治療はどんな感じですか?
オーナーさん:それがね、最初の病院でいきなり「下痢止め」を出されて。でも、こういう下痢って止めずに出し切らないといけないものだったみたいで。
あとから別の病院でフラジールっていうお薬に変えてもらったら、すごい差。最初の先生は、コクシジウムの説明書を見ながら答えてる感じで…ちょっと不安になっちゃって。
歩きながらお漏らししちゃって、絨毯を一枚捨てたこともあったくらい、大変だったんです。
ラーテルから
感染性の下痢に下痢止めを使うべきかどうかは、原因によって判断が分かれます。
素人判断で市販の下痢止めを使うのは避けて、便の検査をしてくれる病院で原因を確かめるのがいちばんの近道です。
納得できないときは、セカンドオピニオンも遠慮しなくて大丈夫です。
拾い食いには、最後まで手を焼いた
ラーテル:下痢のほかに、困ったことってありました?
オーナーさん:拾い食い。三、四か月くらいから、何でも口に入れて。鳥のフンも、ほかの子のフンも。
ラーテル:おおっ、フンまで!?
オーナーさん:私が見つけるより先に見つけるんですよ、あの子(笑)。
先生にも「これは本当に危ないよ」ってきつく言われました。今でも、見つけるのが早いんです。
イタグレって、難しい犬種ですか?
ラーテル:よく「初心者にイタグレは難しい」って言われますが、実際のところ、どうでした?
オーナーさん:調べると、プロのトレーナーさんが「初心者は飼っちゃダメ」って書いてたりするんですよね。でも私からしたら、めちゃめちゃ簡単でした。
娘さん:簡単だったよね。
オーナーさん:賢いし、愛嬌あるし、ほかの子に悪さしないし。しつけようと思えば、ちゃんとできる。
ラーテル:骨折とか寒さとか、いわゆる“イタグレ特有”の難しさって、感じました?
オーナーさん:足が「ヒヤッ」としたことは何度かあって、そのたび落ち込むんですけど、五分くらいで普通に戻る。あとはとにかく寒さ。すごく震えるから、「こんなに服着せなきゃいけないんだ」ってびっくりしました。
イタグレの体の特徴
イタグレは体脂肪が少なく、被毛も短いので、寒さがとても苦手です。冬はもちろん、夏の冷房でも震えることがあります。お洋服は「おしゃれ」ではなく「防寒具」。骨が細いので、高いところからの飛び降りや着地には気をつけてあげてください。
耳が切れた——試行錯誤して、たどり着いたケア
ラーテル:イタグレで耳の先が切れちゃう「耳切れ」、クッカちゃんもありました?
オーナーさん:あったんです。何も対策してなくて、ある日ふと触ったら、片方の耳だけ冷たくなってて。
そこから切れちゃって。これは本当に大変でした。
ラーテル:そこから、どうやって治したんですか?
オーナーさん:もう、試行錯誤。
止血剤系は一瞬で止まるんですけど、かさぶたと一緒に皮膚がはがれちゃうことがあって。
次にキズパワーパッドを小さく切って貼ったら、今度はテープでかぶれて赤いポツポツ。
耳をブルッて振るとはがれる。あと一ミリで治る、ってところまでいったのに、何度も振り出し。
ラーテル:それは、もどかしいですね。
オーナーさん:最終的に効いたのは、余計なものを足さないことでした。
小さい絆創膏をちょっとカットして、当たって痛まないように保護するだけ。
あとは毎日、クリームでやさしくマッサージして、自然に治るのを待つ。
これがいちばん効いた。この子にとってストレスの少ない方法を選んだのが、良かったんだと思います。
ラーテル:なるほど……これは、すごく参考になります。ありがとうございます。
想定外にかかったお金
ラーテル:迎えてから、想定外にかかったお金ってありました?
オーナーさん:病院代は、下痢関係だけで一歳までに三回ぶん。
一回一回は大したことなくても、回数で積み上がりました。でも逆に、下痢以外で病院に行ったことはゼロなんですよ。
ラーテル:それはすごい! ほかには?
オーナーさん:とにかくドッグフードもおやつも服も高い。あと夏に、「帽子とサングラスつけたほうがいいよ」って勧められて。
人間みたいな小さい帽子とサングラスが、これまた高いの。びっくりしました。
ラーテル:洋服も帽子も高いですよね…
イタグレに向いている人、向いていない人
ラーテル:これから迎える人へ。イタグレに向いている人って、どんな人だと思いますか?
オーナーさん:まず、犬が本当に好きじゃないと飼えないと思います。子どもと一緒で、手がかかりますから。
うちは子育てが落ち着いて、時間にも気持ちにも余裕が出てきた頃に迎えたので、すんなりいきました。
「ただ買いたいから買う」っていうのは、やめたほうがいいかな。
迎えて、後悔したことはありますか?
ラーテル:最後に……イタグレを迎えて、後悔したことってありますか?
オーナーさん:何もないです。本当に。
娘さん:ないね。
オーナーさん:私が12時に帰ってきて、家がしずかで、いつもなら誰もいないのに、すごい勢いでお出迎えしてくれるんですよ。
オーナーさん:主人なんて、。酔って帰ってきても「ありがとう、ありがとう」ってきてくれるのが好きみたいです。本当に、飼ってよかった。
ラーテル:クッカちゃんって、どんな子ですか?
オーナーさん:すごくクールなの。人にべったりするタイプじゃなくて、一人でも生きていけそうな顔してる(笑)。でも、ふとした時に顔をなめてくれる。お気に入りのビーズクッションが自分の場所で、誰かが座ろうとすると本気で取りに行く。そういう、ちょっと自立した感じも含めて、かわいいんです。
ラーテル:……今日は本当に、貴重なお話をありがとうございました。
天使のように、こんなにも幸せをくれるなんて思っていませんでした。
ペットショップを介さず、ブリーダーと飼い主さんが直接つながること。迎えたあとも、生涯にわたってそばで支えること。
疑うところから始まったご縁が、「買うならここでしか」に変わり、そして今、家じゅうの幸せになっている。私たちにとって、これ以上うれしいことはありません。
クッカちゃん、そしてご家族の皆さま。貴重なお話を、本当にありがとうございました。